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遺産分割協議書と作成の流れについて

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遺産分割協議書は、大切な人が亡くなったときにその大事な財産を誰がどのくらい受け取るべきかを記す重要な文書です。
とはいえ、めったに作成する機会もないためいざ手を付けようと思った際には、何から始めたらいいか分からない方も多くいらっしゃると思います。
本記事では、遺産分割協議書の概要とその作成の流れについて解説します。

 

遺産分割協議書とは

遺産分割協議書とは、被相続人(亡くなった方)の財産を相続人の間でどのように分けるか協議・話し合い(遺産の分割)を行い、その合意内容をまとめたものです。
目的として、以下3つが挙げられます。

  • 相続財産の名義変更の手続きに必要となる
  • 相続税の申告に必要となる
  • 話し合い後のトラブルを防ぐ

 

遺産分割協議書の作成の流れ

遺産分割協議書作成の流れを解説します。
流れは大きく分けて以下4つです。

  • 相続人を確定させる
  • 被相続人の遺産範囲を確定させる
  • 遺産分割協議を行う
  • 遺産分割協議書を作成する

それぞれについて、解説します。

 

相続人の確定

遺産分割協議の前に、まず協議に参加する相続人を確定する必要があります。
なぜなら相続人全員が参加しないと、その遺産分割協議は無効とみなされるからです。
相続人を確定させるには、被相続人の戸籍謄本などを調査します。

 

被相続人の遺産範囲の確定

遺産を分割させる前に、全体の遺産として何がどのくらいあるかを確定させます。
不動産や現金、有価証券のみならず、借入金やローンなどマイナスの財産も調査する必要があります。
遺産の全体像を正確に把握するためにも、専門家に相談して進めると安心です。

 

遺産分割協議を行う

相続人の確定と、遺産範囲の確定が済んだら遺産分割協議を行います。
遺言書があればその内容に従い、各相続人の受け取るべき遺産を確定します。
なお、遺産分割協議において重要なことは、相続人全員が同意することです。
遠方で協議に出席できない相続人がいた場合、電話等で意思の確認をおこなう必要があります。

必ず法定相続分通りに分割したり、平等に分割したりする必要はありません。
協議に参加する全員が合意に達する内容にすることがゴールです。

 

遺産分割協議書の作成

遺産分割協議にて相続人全員の合意が得られたら、内容を書類にまとめます。
形式等は定められていませんが、遺産分割協議書には必ず以下の内容を盛り込む必要があります。

  • 被相続人の名前と死亡日相続人が遺産分割内容に合意していること
  • 相続財産の具体的な内容(預金の場合は銀行名・支店名・口座番号など)
  • 相続人全員の名前・住所と実印の押印

 

まとめ

遺産分割協議書の概要と、その作成の流れについて紹介しました。
作成時には、協議に臨む前段階として相続人の調査や遺産範囲の確定など、書類作成に付随する工程が発生します。
戸籍謄本等の取り寄せや各相続人への連絡、遺産に関する調査評価など、専門的な分野の手続きが多く発生します。
遺産分割協議書の作成に不安があるひとは、司法書士などの専門家への相談を検討してみてください。